「だれか、来る」ヨン・フォッセ 河合純枝訳内田 信之3月29日読了時間: 1分ノルウェー西海岸出身の作家である。この作品は戯曲の一つである。おそらくノルウェーの地理や歴史を知らないと、この作品の訴えることが理解できないと思われる。つまり私には十分咀嚼できない作品ともいえる。私だけでなく、日本で何の苦労もなく生活している人たちには、これらの作品を読むためにはそれなりの想像力が必要である。
「田舎医者・断食芸人・流刑地で」フランツ・カフカ 訳丘沢静也以前も読んだことのある本であるが、また読みたくなり借りてきた。カフカの小説は、私にとても懐かしい気持ちを抱かせるものである。その発想は、自分の少年時代にも存在していたと感じる。たぶん自分はそうだったのだ。ただし表現することはできなかったし、今もできるとは思えないが。
「すらすら読める今昔物語集」山口仲美1000以上ある説話集の中のうち、11の説話が紹介されている。平安時代末期に成立したと言われているが、何とも不思議で、面白く、しかも教訓めいた物言いをしないにもかかわらず、なんとなく私たちに力を与えてくれる。人間はたくましい生き物である。
「河合隼雄の幸福論」河合隼雄幸福に関連するエッセイ集である。気楽に読めてしまうが、それぞれの内容は深い。悲しみの裏付け、悲しみの支えのない幸福というものはない、という言葉は印象的である。河合隼雄の本は、いつもいろいろなことを気付かせてくれる。私にとって素晴らしい師である。
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