「漂流者の生きかた」五木寛之・姜尚中二人とも幼少期に相当な苦労をされ、言葉にすることが憚れるような経験をしてきているのだろう。それだからこそ、その発言には力がある。長く生きて生き、いろいろな経験をすると、親鸞の思想が身に染みてくるのかもしれない。
「尼将軍」三田誠広鎌倉時代初期の物語である。政子は頼朝、頼家、実朝の3代の時代を自分の眼ですべてを見てきたことを知ると、しかも実朝の暗殺までも経験してきたということを考えると、大変激しい人生を送ってきた女性であるなあと、感慨深い。義経のことなどは実にあっさりと記述されているのも面白きことである。
「言葉を恃む」竹西寛子以前読んだ本であるが、また借りてきて読んでみた。謙虚でありながら、葉に厳しい態度を取り続ける竹西寛子の姿勢は、頭が下がることと同時に、見習うべきことだと思う。古典の面白さ、奥深さを教えてくれた、私にとって大事な先生である。
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